2021.07.02
分娩方法は複数あり、その中でも理想的なのは自然分娩だといわれています。そしてもうひとつ、少々特殊な吸引分娩もあり、この分娩方法は、ママや赤ちゃんに危険が迫っている状況のもとで行われます。こちらの記事では、吸引分娩の方法や、吸引分娩が必要になるケースについてご紹介しています。
吸引分娩とは、吸引器という器具に吸引カップを接続し、吸引器の力を借りて赤ちゃんを外に引っ張り出す分娩方法です。
吸引カップには金属製とプラスチック製があり、あらゆるサイズが用意されています。
なお、吸引分娩に用いる吸引カップについてはその場で医師が判断し、適切な種類を決定します。
吸引分娩は、母子の生命に危険が迫っていて緊急性が高い場合に行われる分娩方法で、日常的に行われることはありません。
それでは、吸引分娩になる可能性がある具体例について見ていきましょう。
ご存じの通り、赤ちゃんはママの胎盤を介して酸素や栄養成分を受け取っています。
そして、何らかの原因によって胎盤の機能が衰えてしまうと、赤ちゃんが十分な酸素を得られず、生命に危険が及びます。
このように、一刻でも早く赤ちゃんを救出しなければならない場合には、吸引分娩で対応します。
痛みが弱くダラダラと続く陣痛でママの疲労がピークに達しているなど、自然分娩が難しい場合では、吸引分娩で母子の生命を守らなければならなくなるでしょう。
なお、微弱陣痛の場合では陣痛促進剤で陣痛を促す処置を行うのが一般的ですが、それでも分娩に必要な痛みが起こらない場合では、やむなく吸引分娩での対応となるのです。
なお、吸引器の使用でも分娩が困難な場合では、急きょ帝王切開になることもあります。
吸引分娩は、自然分娩とは違って器具を使って強引に赤ちゃんを引っ張り出す方法のため、リスクがゼロではありません。
頭部のアザ、頭蓋内出血、新生児仮死などのリスクがあります。
もちろん、吸引分娩で必ずこれらが起こるということではありませんが、自然分娩よりもこれらのリスクが高いということは知っておくべきでしょう。
膣内や会陰部に裂傷ができるリスクがあります。
吸引カップは膣内の奥深くに挿入しますので、どうしてもこれらのリスクが高くなると考えられているのです。
また、分娩時の出血量が増えることもあるといわれていますが、赤ちゃんのリスクと同様に必ず起こるとは限りません。
出産を控えている方はあまり神経質に考えず、吸引分娩とはどのようなものかを頭に入れておく程度で良いでしょう。
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